今回は歯科衛生士が仕事をする上で大切な基本のキを歯科衛生士・池尻知栄子さんに教えていただきます。

池尻 知栄子(いけじり ちえこ)
九州文化学園歯科衛生専門学院卒業。母校に専任教員として勤務後、予防中心の島のクリニックでチーフを務める。その後、千葉県の医療法人社団にDHマネージャーとして入社。国内5クリニックと海外のクリニックに勤務しDHの業務改革を行う。2019年9月より京都府の歯科医院に勤務。
みなさん、こんにちは。今回は、実習生から卒後1年目の歯科衛生士さん向けに仕事に対する心構えをご紹介します。

ご存知の通り、歯科衛生士の仕事にはいわゆる三大業務があります。

  • 歯科診療補助
  • 歯科予防処置
  • 歯科保健指導

歯科衛生士になると避けては通れぬ業務です。

その中でも、実習生から卒後1年目の最初のお仕事は歯科診療補助が多いのではないでしょうか?

4~8月の時期は、ほとんどが見学と治療のアシスタントワークをするクリニックもあると思います。

私が実習生の頃、アシスタントワークは正直疲れました。先生のアシスタントにつく時点で緊張したものです。

今回は、歯科助手さん・実習生・歯科衛生士さんなど様々な人と出会ってきた経験を活かし、アシスタントワークでまず初めにやるべきことを紹介します。

そもそも歯科診療補助ってなに?


三大業務の中で唯一、保健指導・予防処置と違って主役(術者)ではない仕事です。

なかでもアシスタントワークの目的は、安心・安全でより良い治療がスムーズにできるように先生や患者さんをサポートすることです。

アシスタントワークがクリニックを変える?

患者さんの歯科医院に対する不満は、下記の理由が占めているのではないでしょうか。

  • 待たされる
  • 治療が長い
  • 痛い
  • 説明がない
  • 話を聞いてくれない
  • 汚い…など

これに対するクリニック側の大半の理由が、忙しい(時間がない)というもの。なぜか双方ともにストレスを抱えている状態です。

一方、アシスタントは歯科医師のやることをただ手伝う仕事といった捉え方をしていることがあります。この考えで動いていると隠れた時間ロスに気付けません。

この隠れた時間ロスをアシスタントワークによって減らすことで、患者さんにもクリニックにも私たちスタッフにもより良い環境ができます。

1~2週間でアシスタントワークができるようになる

チェアサイドのアシスタントワークには大きく分けて4つの項目があります

アシスタントワークの4項目
①処置内容を理解している(イメージがつく)
②準備ができる
③治療の補助
④片付けができる

よく陥ってしまうのは、初めから③の治療の補助に集中してしまい、①〜④のすべてが中途半端になることです。

アシストワークは上手くなるのに少し時間が必要ですので、まずはそれ以外のことを早く覚えていきましょう。アシストワークが未熟でも、それ以外ができるとクリニックに貢献できます!

③以外の項目に関しては、からだを使って覚えるのではなく、頭を使って覚えることがほとんどです。

覚え方には色々ありますが、見学のときにメモを取り、自分が見やすいようにまとめることが大切です。

メモを取ることで早く覚えられ、教わったことを忘れてしまったときに自分を助けてくれます。

メモ内容のコツは【見える化】


メモの内容は下記の流れで記入すると頭に入りやすくなります。

処置内容…何をする処置なのかをイメージできるようにする
使う道具…処置の流れに沿って使うタイミングも覚える
道具の保管場所…準備だけでなく、滅菌後の片付けも出来るようにする
処置後の片付け…チェアサイドの消毒、器具の消毒・滅菌処理などのルールも覚える

メモにして見える化する事でアシスタントワークだけでなく、それ以外の仕事も覚えやすくなります。

診療の流れと動きを覚えるための【見学の仕方】

覚えたり、見て学んだりするために見学の時間があります。ただ見るのではなく、次に自分がアシストするつもりで見学してみてください。

先輩が離れて何かを取りに行くときも一緒について行き、どこに何があるのか、どのタイミングで何をするのかを学びましょう。ひとつの診療の流れと動きを覚えていきます。

アシストワークを行うようになったら、自分の苦手な事やアドバイスされたことを先輩がどのように行っているかテーマを決めて見学するようにしましょう。

わからないままにせず、積極的に質問し、理解していくのがアシストワークのコツです。

急がば回れで、まずは小さいけれど確実にやるべきところを押さえることで、次に大きな仕事ができるようになります。周りから信頼され、やりがいのある大きな仕事が増えていきますよ。