歯周病を診断するのに重要な検査であるプロービング

歯肉溝の深さと炎症状態を知るためにプロービングはかかせません。

しかし、プロービングをする際にただ闇雲に棒を突っ込み、患者さんから「チクチクして痛いもの」と思われている歯科衛生士さんは少なくないです。

そこで今回はプロービングを行う前に最低限知っておくべき基本的なことをまとめました。

プロービング値は状況によって変化する

いきなりですが、プローブの先端がどこで止まっているかご存知でしょうか。

1. ポケット底の手前
2. ポケット底ジャスト
3. 上皮性付着まで
4. 結合性付着まで

これらはどれも正解であり、不正解でもあります。術者の技術、使用器具、患者さんの口腔内状況など様々な要因によってプローブの止まる位置は変わるからです。

なるべく誤差がでないように、検査をする際はできるだけ同じ術者、同じメーカーのプローブを使用する必要があります。重要なのは術前後時に同樣の条件でプロービングを行うことです。

歯周組織のことを知ろう

プロービングをするには歯周組織のことを把握していないといけません。簡単に用語の説明をしていきます。

歯肉頂からポケット底までを遊離歯肉といい、そこがプロービング値になります。

ポケット底から歯肉歯槽粘膜境までを付着歯肉(または角化歯肉)といい、下記に分かれます。

・上皮性付着
・根面への結合組織性付着
・骨膜への結合組織性付着

プロービング値だけではなく、歯肉退縮量も歯周病に関わっています。歯肉退縮量はCEJから歯肉頂を指し、プロービング値と歯肉退縮量を足したものをアタッチメントレベル(付着レベル)といいます。

付着が起こるとアタッチメントゲイン、付着が喪失するとアタッチメントロスです。

付着は上皮性付着と結合組織性付着がある

歯面と歯肉の付着があることでプローブは突き抜けずに止まります。付着には上皮性付着結合組織性付着があります。

上皮性付着

一番表面にあるのは上皮性付着です。上皮性付着はヘミデスモゾームという接着によって歯面に付着しています。上皮性付着は弱いのでプラークコントロールの不良が続けば簡単に剥がれ、また逆に付着もしやすいです。

結合組織性付着

上皮性付着の下にあるのは結合組織性付着です。結合組織性付着はコラーゲン繊維が豊富に含まれており、強固な付着が起こっています。コラーゲン繊維は繊維芽細胞と呼ばれ、セメント質のセメント芽細胞と絡み合って付着しています。上皮性付着と違って付着が破壊されにくいかわりに、再生もされにくいのです。

適切な歯周治療を行ったあとにポケットが浅くなることがありますが、これは再付着(アタッチメントゲイン)が起こっているからです。しかし、結合組織性付着はなかなか起こらないので簡単に再生してくれる上皮性の付着が起こります。すると付着が上皮性の長い付着になるのです。

生物学的幅経とは

健康な歯周組織は上皮性付着と結合組織性付着が約1mmずつです(もしくは歯肉溝1mmも含む)。これらを生物学的幅経といいます。

生物学的幅経の別名はbiologic width(バイオロジックウィズ)。

現在はsupracrestal tissue attachment(スプラクレスト ティシュー アタッチメント)と呼ばれています。

覚えにくいですが、このように分けてみると理解しやすいでしょう。

supracrestal(骨縁上)
tissue(組織)
attachment(付着)

続きはプロービングに精通!#基礎編をご覧ください。