プロービングを行う上で知っておくべき基礎編パート2です。

プロービングを極める!#基礎編では歯周組織について述べたので、今回はプロービングで見るべきポイントをまとめました。

歯周ポケットの深さによる歯周病の定義

歯周ポケット測定をEPP(Examination of Periodotal Pocket)とも言います。

歯周ポケットの深さによる歯周病の定義を下記に示します。

4mm未満:軽度歯周炎
4〜6mm未満:中等度歯周炎
6mm以上:重度歯周炎

プロービングの値は歯肉の炎症状態によって異なる

上記のように定義できるの反面、プロービングの値は歯肉の炎症状態によって異なります。

同じ術者で同じ器具を使用したとしても、プロービングの値が変化してしまうことをきちんと把握してなれければなりません。

健康な歯肉:上皮性付着の途中まで
歯肉炎:上皮性付着と結合組織性付着の境界部まで
歯肉炎:結合組織性付着の途中まで

付着を剥がして挿入してしまうため、痛みを与えます。ですから、ジェントルプロービングを意識して行うことが大切です。

深いポケットがよくない理由

プロービングを行い、深いポケットがよくないことはわかっているものの、なぜよくないのか説明できるでしょうか。深いポケットがよくない理由は4つあります。

①付着の喪失を起こす可能性が高い
②酸素が少なく、細菌が好む環境である
③歯ブラシによるコントロールが困難になる
④成熟したバイオフィルムには化学的なプラークコントロールができない

プロービングを行い、深いポケットだと浅いポケットに比べて3~5倍悪くなりやすく、深いポケットほど細菌の量が多く増え続けてしまいます。深くなるほど歯ブラシや補助清掃用具によるコントロールが困難になり、SRPの難易度もあがるからです。

プロービングではBOPが鍵

BOP(Breeding on Probing)とはプロービング時の出血のことを指します。

肉眼的に歯肉の状態を見ても、組織内の炎症状態を判断するのは困難ですよね。ですから、プロービングを行って炎症の状態を確認します。

BOPが起こる原因
・プラーク状況
・歯石の取り残しや再沈着
・不良肉芽組織の増殖
・歯根破折
・根尖性歯周炎
・ストレスや疲れによる免疫力の低下
・全身疾患
・薬の副作用
・喫煙によって出血が減ることもある

5mm以上のポケットはBOPが高くなりやすく、16%以上のBOPを持つ患者さんはより多くの付着の喪失が認められます。

BOPの存在が必ずしも付着の喪失に結びつくわけではありませんが、メインテナンス時にBOPがないと組織の安定性を示すことができるのです。

BOPが30%以上示すような患者さんにはリスクの高さが考えられるので、再SRPを検討する必要があります。しかし、すべての部位が同じ傾向を示すわけではないため、BOPが低い患者さんでも個々に応じたメインテナンスやSPTが必要です。

BOPでのメンテナンス間隔の目安
0%〜≦10%:リコール間隔は6ヶ月
10%〜25%:リコール間隔は3ヶ月
≧25%以上:リコール間隔は1ヶ月

プロービングの目的は計測と触診

プロービングで得られる情報は計測と触診に分けられます。目的によって使用方法も変わるので”自分は何をしているのか”を明確にして行いましょう。

計測
・歯周ポケットの計測
・歯肉退縮の測定
・付着歯肉の幅
・歯肉の厚さ
・出血などの炎症程度
触診
・歯石の探知
・結合組織の抵抗性
・歯根面の解剖学的形態
・根分岐部の位置や形態
・歯槽骨の形態

初診時には”歯周ポケットの計測や出血・排膿などの炎症状態”をチェックし、SRP時には”歯石の有無・量・場所の把握、根面状態や付着状態の確認”を行います。また、再評価時には”計測や炎症の有無を検査する”のと”歯石の取り残しや再沈着のチェック”をしましょう。

SPTやメンテナンス中の再評価の定義

SPTやメインテナンス中の判定基準はプロービングの値と出血などを参考にして総合的に診断します。日本歯周病学会の歯周治療の指針2015では下記のように定義されています。

治癒:メインテナンス
EPP 4mm未満、BOP(−)
病状安定:SPT
EPP 4mm以上、BOP(−)
病状進行:歯周外科治療など
EPP 4mm以上、BOP(+)

次回は応用編をご紹介します。