チーフ歯科衛生士のみなさん、後輩と上手くコミュニケーションを取れていますか?

成長してほしいからアドバイスをしているのに、言うとなんとなくツンとした対応をされる…なんてこともありますよね。

そんな態度を取られると指導を辞めてしまいたくなるかもしれません。しかし、院長には「頑張れ」と言われ、間に挟まれる管理職は辛い思いをすることが多いと思います。

後輩指導をするときに「してはいけないこと」があります。それは一体なんでしょうか。

普段から当たり前のようにやってしまうこと。実は、ほめたあとに否定するのはしてはいけないのです。

「最近頑張ってるよね。でもこういうところ、いけないと思う。」

という言い方、していませんか?

ほめたあとに駄目なところを指摘すると、嫌われる

心理学者のアロンソンとリンダーは、好意が自分への評価の獲得や喪失と関連するとし、実験を行いました。

この実験の被験者はアシスタントを依頼された女子学生です。本人は実験者側だと思っており、ニセモノの被験者がいます。

いくつかのセッションに分けて実験が行われ、セッションごとにアシスタントの女子学生はニセモノの被験者の評価を聞きます。

実験では評価と好意の関係をみるもので、実験中に聞く評価は下記の4つに分けられました。

《前半》 《後半》
良い評価→悪い評価
悪い評価→良い評価
良い評価→良い評価
悪い評価→悪い評価

実験が終わったあと、アシスタントにニセモノの被験者への好意を聞きます。

実験の結果、高い評価が好意度に強く影響していることが証明されたのです。

しかし、最初からほめ続けるよりも、悪い評価をしてからほめたほうがより相手に好意を持ちます。最初からずっとほめているほうがほめた回数は多いにもかかわらず、です。

それはなぜかというと、けなされて落ち込んだ状態からほめられて喜びを得たときの情緒的反応が大きいから。これを好意の獲得・喪失効果と呼んでいます。

相互作用を通じて相手から新たに高い評価を獲得した時の情緒的反応が大きいことや、自分の行動が評価されたことを知ったことで、その評価者に特に好意を持つのです。

反対にほめられた後にけなされてしまうと、評価を失った時のショックは大きくなります。最初からけなしている相手より、さらに相手を嫌いになることも明らかにされました。

悪いことは先に伝えて、そのあとは大きくほめる

もし後から悪いことを伝えたいときは

「頑張っているね。それとあとひとつ、ここをこんな風にしたら今よりもっと良くなるんじゃない?」

とプラス言葉に変えて伝えてみるのもおすすめ。

また、悪いニュースを伝えたいときに使える応用テクとして、サンドイッチ法があります。悪いニュースを良い話で挟むとまろやかな言い方になるのです。

①良:「○○さんは仕事が丁寧だよね。」
②悪:「でも時間がかかっていて次の患者さん待たせてしまっているよね。」
③良:「そこを気をつけたらもっと良くなるよ。○○さんの担当になった患者さんは大事にされていて幸せだね。」

いかがでしょうか?こんなふうに言われたら、一生懸命取り組みたくなりますよね。

ただし、行動を促したいときには悪い話で終わらせるのがベスト。ネガティブな感情は改善につながるからです。

「あなたはすごく気が利くね。でもいろんなことを考えすぎて結局何もできていない。まずはひとつのことに集中しなさい。」

と言われたら、悲しい気持ちは大きいです。しかし、悔しさから努力が生まれ、”もっと頑張ってやる!”と行動につながります。

状況に応じて対応できるのが教育のコツ。臨機応変に指導することができたら素晴らしい教育係になれますよ。